オーバーシーズ進化の軌跡 今後のビジョンとは

Vacheronconstantin overseasについて語りたい。

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オーバーシーズの進化の軌跡についてだ。

オーバーシーズリリースは1990年代だが、その先駆けとされた【222】がリリースされたのは1977年だ。

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ブランド創立222周年を記念してリリースした【222】/ 1977年発売

222がリリースされた1970年代というのはオーデマピゲやパテックフィリップからスポーツラインがリリースされた年代で、ヴァシュロンコンスタンタンはそれらよりも後発となった。

222のリリースから19年という長い歳月が経ち、1996年にオーバーシーズという新しいラインが誕生した。おそらく、老舗ブランドのスポーツラインは1970年代のニーズに合わず、カテゴリーとして再評価されニーズ普及に至ったのが1990〜2000年代なのだろう。

 

オーバーシーズ1st Ref.42042

満を辞して、リリースされた初代オーバーシーズは非常にデザイン性が高く、ブランドのアイコンとしてふさわしいモデルとなった。初代オーバーシーズはジラールペルゴのベースムーブメント(GP3100)が搭載され、非常に薄型で小径のモデルだった。ベゼルはブランドのアイコンとされるマルタ十字がモチーフだ。

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インターネットより引用

非常に完成されたモデルだったが、難点はブレスレットだ。デザイン性は高いが、クリアランスは狭く故に可動域が狭い。ブランドとして未開拓であった新しいカテゴリーへの参入であったためか、スポーツウォッチとしての設計ノウハウは不塾であったのだろう。

 

オーバーシーズ2nd Ref.47040

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インデックスはアラビア・バーインデックス、文字盤にはギョーシェが施される

2004年にオーバーシーズ2ndがリリースされ、ブレスレットの装着感は非常に改善された。ベゼルのマルタ十字モチーフは継承され、新しくブレスレットにまでそのモチーフが追加された。ブレスレットの変更に伴い装着感が改善されたことは言うまでもない。マルタ十字のモチーフが施されたブレスレットは現在のオーバーシーズのアイコンともなっているだろう。

 

オーバーシーズ3rd Ref.4500V

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バーインデックスに改められ、文字盤はラッカー仕上げ

インターネットより引用

2016年にオーバーシーズ3rdがリリースされ、現行のモデルとなっている。このモデル最大の改良はムーブメントが一新されたことだ。過去のモデルはジラールペルゴやジャガールクルト、フレデリックピゲといった他社の機関ムーブメントを搭載していたが、当モデルからは自社開発の全く新しいムーブメントに一新され、今のヴァシュロンコンスタンタンの自動巻機関ムーブメントとなりつつある。

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バックケースのトランスパレントバックからはCal.5100が覗く      インターネットより引用

また、インターチェンジャブルシステムと言ったワンタッチでベルト交換ができるシステムも追加され、より一層使いやすい時計に生まれ変わった。

 

ロイヤルオークやパテックフィリップはデザインとして成熟しているが、オーバーシーズに関しては未だデザインに迷走している感が否めない。これもブランドとしての意図なのか。

いずれにしても、オーバーシーズは今後も進化が期待できるモデルであるとポジティブに受け止めておこう。