新作クロノマットB01 42

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BREITLING instagram より出典

新作の目玉としてはブライトリングも2020の大きなトピックである。同社のトップラインであるクロノマットは2020年を持ってモデルチェンジを果たした。その外観は1983年に登場した初代クロノマットを思わせるルーローブレスレットを備える。また、デカ厚ブームの中核であった前作の44mmケースは、本作から42mmへと小径化された。そんな当モデルの実機を見てきたエントリ。

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BREITLING instagram より出典

ケースの仕上げはやはりブライトリングらしく堅牢感があるのは前作同様である。ポリッシュに定評のあるブライトリングだが、本作は全体的にサテン仕上げ。ヘアラインは鋭く荒い仕上げではなく、繊細な艶消し仕上げであるため、ROのようなギラギラ感はなくインフォーマルな印象を与えるのが本作の特徴。ベゼルは唯一フルポリッシュであるが、ブラックアウトすると目盛りが見えなくなる点は不安要素。リューズ及びプッシャーは完全にデザイン変更が加えられている。特にプッシャーはプレーンな造形に変更されている為、好き好み分かれそうだ。ラグは前作では傾斜が著しかったが、本作ではケース小径化に伴い傾斜はなだらか。かく云う初代は傾斜を持たない真っ平らなラグであったが、流石に本作では装着性が考慮されている。しかしながら、ルーローブレスの取り付け部は十分な可動域であるため、ラグの角度はそれほど気にしなくても良さそう。

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上)初代クロノマット 中央)クロノマット44 下)クロノマット42      webchronos.net 及び fratellowatches.comより出典

インデックスも細身に改められ針はバスタブ形状、これは初代からインスパイアされたデザイン回帰である。しかし、やはり現代のクロノマット。インデックスや針はダイヤモンドカットで完璧な鏡面を持つ為、依然高級時計らしい印象を与える。

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swisswatches-magazine.com 及び ablogtowatch.com より出典

さて、本稿のハイライトであるルーローブレス。初代クロノマットを彷彿とさせるが構造は全くの別物。ブレスはそれぞれのコマが独立パーツのように思えるが、実は2コマがニコイチになっており、各パーツをピンで接続している。ピン留めに関しては賛否あるだろう。しかし、重厚な印象を与えるネジ留めよりは、やはりピン留め方式の方がブレスとの印象にマッチしていると感じる。しかし、凡そ全ての調整コマに記されたピン抜き方向を示す→マークが目立ちチープに感じところは残念だ。肝心な装着性の話になるが、ルーローブレスと聞くと初代のようなジャラジャラブレスを想像するが、新型は写真(上)が示すようにある程度可動域には制限があり、ブレスレットに芯がある印象。しかし、装着性の上でブレスが腕から浮くという心配はなく、ご想像の通りしっとりと腕に馴染む。問題はブレスとヘッドのバランスである。旧世代では重厚な標準5連ベルトがヘビーなヘッドを支えていた。5連ベルトは十分な厚みと最適なコマ数による安心感があった。そのため、ルーローブレスが現代クロノマットと調和するかが気になるところであるが、こればかりはコマ調整を行った段階でしか確かめようがない。それと、ルーローは重厚故にコマ間の遊びが少なくブレスレットのシナリが殆ど無い。そのため、実際に腕に巻いた際、これがストレスになる可能性は考えられる。しかしながら、現代版にブラッシュアップされたルーローブレスの完成度は高く、その仕上げは抜かりない。特にコマ側面は完璧に面取りがされており、肌当たりが良くデザイン上のアクセントにもなっている。アーカイブの復刻デザインであるが、新造されたブレス構造も改めて巧妙な設計であると感じる。是非、このブレスは実機で体験していただきたい。

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 BREITLING instagram より出典

クロノマットB01 42

¥979,000

ステンレススティー

直径 42.0 mm

厚さ 15.1 mm

サファイアガラスのシースルー裏蓋

防水性20気圧

ムーブメント

ブライトリング 01キャリバー

自社開発製造

自動巻き

70時間パワーリザーブ

振動数28800.0回/時(4.0 Hz)