Mad paris × 1017 Alyx 9SM by Royaloak

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restirofficial Instagramより出典

ついに全貌を明かしたカスタムロイヤルオーク。アリクスのInstagramで突如公開されたこのリークは2019年7月30日のこと。

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そして、このポストから長らく経ち、2019年10月18日についにローンチされた。

今回はこちらのカスタムロイヤルオークについてのエントリ。

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実物拝見させて頂いたのは、六本木ミッドタウンから直ぐ、ファッションセレクトショップの《Restir》にて。今回このカスタムウォッチを製作したのは【Mad paris】であり、同社はロレックスやノーチラスなど、様々な時計のカスタムを製作していることで有名だ。みなさんも一度はマッドブラックのロレックスをご覧になったことがあるだろう。そんなMad parisと今回提携したのがファッションブランドの【1017 Alyx 9SM】(以下ALYX)だ。つまり、要約するとALYXがロイヤルオークを元にカスタムするようMad parisに依頼したわけだ。カスタムのベースとなるのは41mmのRoyaloak15400である。ムーブはcal.3120であり、これに至ってはカスタムは及んでいない。変更点は文字盤とバックルである。

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文字盤はミニマルなシルバーカラーにサンレイ仕上げが施される。文字盤にはAPのアプライドロゴと1017 Alyx 9SMのレーザー刻印のみだ。非常にミニマルだが、文字盤のサンレイ仕上げはどこか無骨で工業製品的な一面を見せる。ダイヤルはアルミニウムのような色合いを見せるが、素材は定かではない。このダイヤルの素材感は意図して仕上げているのであろうが高級感はなく、あくまでインダストリアルな印象を作り上げたかったのだろう。搭載するムーブメントが3120であることからデイト窓はかなり中央に寄っている。オリジナルの15400では面長なインデックスを配置することで、これをデザイン的に解消したが、ミニマルな文字盤上では余計に目立ってしまう。デイト窓はファセットや窓枠があるわけでもなく、ダイヤルの打ち抜き処理に伴い周辺が歪んだような形跡が見受けられる。これをインダストリアルプロダクト的な要素として許容できるかは人それぞれの感性によるだろう。しかし、個人的には窓枠の処理を施す方法もあるが、いっその事デイト表示を廃してしまうほうがコンセプト的にも性に合うのではないだろうかと感じてしまう。

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バックルはALYXのシグネチャーでもあるジェットコースターバックルが配されている。バックルは既存のROベルトと同等の幅・厚みのものが取り付けられる。仕上げに関しても、表面はヘアラインで仕上げられ、パーツ端部はベルト同様に面取りがなされポリッシングで仕上げられる。このシグネチャーバックルと既存ベルトとの色味が異なり、恐らくこれはヘアライン仕上げの差異がある為だ。この辺りは確実に詰めて欲しいところであり、如何にも後付け感が残ってしまい残念なポイントである。

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バックル装着はカチッとハマり、噛み合わせ部の立て付けも問題ない。装着後に誤ってバックルが外れてしまう心配はなさそうだ。しかし、時計装着時はバックルが完全に切り離されるため、着脱の際には配慮が必要だ。ベルトとバックルの取り合いであるが、バックルオス側はベルトに完全に固定されているが、バックルメス側はベルトとバックルの取り合い部が稼働する。これにより、装着時にバックル付近の折れ角が歪になる。対処法としては、バックルのオスメス両者ともにベルト取り合い部の稼働・未稼働を統一させることで解消されるだろう。

ついにローンチされたカスタムロイヤルオークだが、価格はなんと600万。製造コストを考えるにも明らかに割高感は否めない。しかし、製造本数は40本、国内納入本数は1本(リステアのみ)であるため、投機目的として今後は確実にプレ値で取引されるだろう。国内展示は1週間であり2度とお目にかかることはできない、この機会に是非ともご覧になっていただきたい。